当然、ハートフルな暖かい物語です。 きっと私もそうなんだろうなと辛かった。 愛する家族を失う哀しみ。 彼らの気持ちも切なかったり…淋しかったり…。 ・「一所懸命なひとがいる。不器用なひとがいる。のんびりしたほうがいいのはわかっていても、それができないタチのひとがいる。いいじゃないか。みんなとは違う。悪くないじゃないか。がんばって、つい夢中になって、みんなからはずれて、はぐれてしまう。ときどき意地を張りすぎたり、みんなのもとへ帰るタイミングを逃したりする。それもいいじゃないか。」 文章は勿論とても素晴らしく、 妻を亡くしてシングルファザーとなった健一と娘美紀。 たくさんの優しさと、決して少なくないやるせなさと、どうしようもない寂しさとがじんわりとしみてくる。 9作の連作になっています。 『ステップ (中公文庫)』(重松清) のみんなのレビュー・感想ページです(137レビュー)。作品紹介・あらすじ:結婚三年目、突然の妻の死。娘と二人、僕は一歩ずつ、前に進む――娘・美紀の初登園から小学校卒業まで。「のこされた人たち」の日々のくらしと成長の物語。 切ないけれど心温まる素敵な作品でした。, 父と娘、二人の家族のお話が父親の視点で描かれる。保育園時代から小学校卒業までの美紀。それはもう、女の子の可愛いところが満載なのです。娘、美紀のことが他人と思えなくなり、何とか力になれないかとげんこつを握りそうになった。重松さん、ほんとに上手いですね。わかってても涙が出ちゃうのがちょっと悔しくもある。世間一般の型通りでない家族の、周囲の人たちや社会の中でのあり方が書かれ、心に残った。また、ある登場人物が、過ぎ行く人生を回想する所がよい。なんともせつない気持ちになったし、人の一生に思いを巡らせられ、読んで良かった。, 重松さんの作品はいつも涙がこみあげてくる。今回こそはと意気込んで読み始めたものの、美紀ちゃんの成長を見守る優しい登場人物たちが織り成す物語にそしておじいちゃんとのくだりに涙が。 若い頃はそれが鬱陶しく思ったり反発もするものだが 初登園から小学校卒業までの足取りを季節のうつろいとともに切り取る、 死んだ者だけが永遠とされる。 その僕が美紀を育てる。 涙が滲んだ。, 何回泣いただろう… ・「目の前の今日を、あたふたしながら生きているだけだ。」 「悲しみや寂しさは、消し去ったり乗り超えたりするものではなく、付き合っていくものなのだ・・」 お父さんと一人娘の美紀ちゃんの物語。 重松 清『ステップ』の感想・レビュー一覧です。ネタバレを含む感想・レビューは、ネタバレフィルターがあるので安心。読書メーターに投稿された約482件 の感想・レビューで本の評判を確認、読書記録を管理することもできます。 写真屋の娘。 小説でこんなに泣いたのは久しぶりかもしれない。 残された娘との二人三脚。 結婚三年目で妻を亡くした父と残された1歳半の娘の話。 結婚3年目に妻を突然失った父子家庭のお話。そのこと以外は特別な事件に巻き込まれる訳でも、何か特別なことが起こるわけでもないごく普通の家庭。 「僕」は娘の美紀と一緒に親子二人三脚で進んでいくことに間違いはないのだけれど、もう少し正確に表現するなら家族みんなと手を繋いで、だろう。 乗り越えるんじゃなくて、一緒に生きていくんだって思えました。 お父さんの心情がすごくよく表現されています。 「2020年 『ルビィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」. 普通なんてものは一つとしてない。 そんな風に思いながらも、それを実感するのは自分が何かを失った時です。 健一と美紀は朋子を失い、この『普通』という言葉に何度も苦しめられます。 普通の家庭には父親も母親も揃っていて、大多数のために少数派の片親には合わせられない。 子どもが大きくなる … 小学校に上がると母の日に母の似顔絵を描かせようとする担任の先生。 家族を大切にしたいと思わせる物語。 心に染み入る言葉や想いが沢山散りばめられていました。 皆がとても優しくてあったかい。 二人の寂しさに寄り添ってくれるのは自身も何らかの喪失を経験したことのある人達で、解ってくれない人達は二人を簡単にくくって傷つけてしまう。 ラスト重松さん節だなあ、この熱い涙がこぼれ落ちる感じ。でも比較的明るめかな?4連休最終日夜のお供, (大学図書館) 妻である朋子を失った悲しみが、「僕」をつくる。 男手一つで娘を育てる物語。 美紀の2歳から12歳の小学生卒業までの健一と周りの暖かい人たちとの物語。 妻が残してくれた1歳半の娘を戸惑い、悩みながらも一生懸命育ててゆくお話です。 ・「悲しみや寂しさは、消し去ったり乗り越えたりするものではなく、付き合っていくものなのだとー誰かが、というのではなく、僕たちが生きてきた日々が、教えてくれた。」 いや、乗り越えていくという表現は少し違う。 確かにそれは残された者の重ねる悲しみ以外ないだろう。 乗り越えているのではなく、共に生きていっている。 でも、新しいお母さんになる必要はあるのか。  映画化されると聞き手に取った。妻に先立たれた夫と幼い娘の物語。家族の形にこだわらなくとも良い。そう思える。重松さんの作品はやはり優しさにあふれている。 有難いと思いながらも少しの鬱陶しさを感じる亡くなった妻の父母との付き合い。 書きとめておきたい一説。"悲しみを胸に抱いたまま生きていくのは、決して悲しいことではない。そのひとがいないという寂しさを感じる瞬間は、そのひとのいない寂しさすら忘れてしまった瞬間よりも、ほんとうは幸せなのかもしれない。" 本当に素敵な本をありがとうございます。, 1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務を経て、執筆活動に入る。1999年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木賞、2010年『十字架』で吉川英治文学賞、2014年に『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。小説作品に『流星ワゴン』『愛妻日記』『カシオペアの丘で』『赤ヘル1975』など多数。 そう思った。, 妻を亡くしたシングルファーザー。 『ステップ』(重松清) のみんなのレビュー・感想ページです(182レビュー)。作品紹介・あらすじ:結婚三年目、妻が逝った。のこされた僕らの、新しい生活-泣いて笑って、少しずつ前へ。一緒に成長する「パパと娘」を、季節のうつろいとともに描きます。 一歳半の娘を残してこの世を去った妻、朋子。  人は生まれてからいろんな人達に支えられて、愛されて、育てられて、大人になっていくんだということをあらためて気づかせてくれる作品でした。 「過ぎていく時間の中で、哀しみや寂しさと付き合っていかなければいけない」と感じました。 男手一つで娘・美紀を育てようと決めた「僕」。 https://fuksi-kagk-u.opac.jp/opac/Holding_list?rgtn=845472, よくあるパターンのお話…では、あるものの、様々な人間模様があったかくて、さすが重松清〜(敬称略)!という感じ。最後は涙ボロボロ。そういえば、登場人物が皆良い人。すごいなあ。, 娘が生まれて小学生となるまでの、父と娘の話ですが そんなことを同じしんぐとしては思ってしまった。 こんなに沢山の愛に包まれて、見守られているってとても幸せなことだね。 保育園でのケロ先生との関係や会話。 誰もがいつかは経験するだろう。 何気ない日常にこんなに素敵なお話がちりばめられていることに感動。読み手までが優しい気持ちになることも素晴らしい。, 重松さんの作品だから絶対泣くだろうな・・とわかっていてもやっぱり泣けました。父子家庭の奮闘、父なり、娘なりの心の葛藤。そして成長。ドラマ化して欲しいなぁと思ってしまいました。心が温まる作品です。, 久々に本屋さんで重松清さんの本を手に取って、パラパラみて、読んだことあった気もするけど続き読みたくなって図書館で借りた。 感じられてとても良かったです。 恋人の存在はいい。 結婚三年目、妻が逝った。のこされた僕らの、新しい生活-泣いて笑って、少しずつ前へ。一緒に成長する「パパと娘」を、季節のうつろいとともに描きます。美紀は、どんどん大きくなる。, 結婚後 3年目で奥さんを亡くし、小さな子どもと一緒に成長していくお父さんのお話。 これもコレクションとして大切に手元に持っていたいと思います。, 1歳半の幼子を残して妻に先立たれた健一。 一緒に成長するパパと娘のお話。 素晴らしい愛に満ち溢れた物語だった。, 泣いた。 こんな義両親いるかぁ?とは思いますが、この設定ではとても重要な役割。とくに義父は重要なポイントだと思います。 そんな中、健一が新しい一歩を踏み出す物語。 ストーリとしては 沁みます。。。, 良かった 悲しみを胸に少しずつ「育って」いくパパと娘の物語。 取って付けたような人情話じゃなく、男やもめのどちらかというとありふれた題材であるのに 愛する家族を失う悲しみ。誰もがいつかは平等に通るその道をどう乗り越えていけば良いのか、答えをくれたような気がした。 それ以上のものを自分の子供には与えてやりたい。 重松 清『ステップ』の感想・レビュー一覧です。電子書籍版の無料試し読みあり。ネタバレを含む感想・レビューは、ネタバレフィルターがあるので安心。 なんか読後のいまなら「ありがとう」って、素直に言える気がする。 だから朋子も常に一緒に手を繋いでいる。 「永遠の不在」と向き合いながらお互いに思い合う、残された家族の物語。 若くして妻が突然の病死。 美紀を幸せにする─ 結婚三年目、突然の妻の死。娘と二人、僕は一歩ずつ、前に進む――娘・美紀の初登園から小学校卒業まで。「のこされた人たち」の日々のくらしと成長の物語。, R2.4.17 読了。 義父母、義兄夫婦 簡単にくくってしまえるものなんて何もない。決めつけたり、侮ったりしないで誠実に生きよう、向き合おう。この小説の人達のように。 再婚相手となるナナさん 亡くなった人を想う時間や思い出す事が、少しずつ少しずつ少なくなってゆく。 じんわり、あたたかくなる物語でした。 1歳半の娘を残して亡くなってしまった母の気持ちを思うといたたまれない。 主人公のパパの語りがとても穏やかで実直で人として素晴らしいと 涙を誘おうとするようなあざとさを全く感じず、 ・「悲しみを胸に抱いたまま生きていくのは、決して悲しいことではない。そのひとがいないという寂しさを感じる瞬間は、そのひとのいない寂しさすら忘れてしまった瞬間よりも、ほんとうは幸せなのかもしれない。」, 結婚三年目、三十歳という若さで、朋子は逝った。 本の後半はずっと涙を流しながら読みました。 凄く暖かな、そして素敵な家族の在り方を感じた作品でした。, 1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務を経て、執筆活動に入る。1999年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木賞、2010年『十字架』で吉川英治文学賞、2014年に『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。小説作品に『流星ワゴン』『愛妻日記』『カシオペアの丘で』『赤ヘル1975』など多数。 そんな思いと、シンプルに妻を忘れられず「僕」は再婚できずにいた。 もし再婚すれば、義父母や兄夫婦との縁は薄れてしまい、悲しむだろう。 そんな気持ちにすらなった。 でも何かで不意に思い出した時、その衝撃がとても大きいのですよね。 健一と美紀はママが亡くなった悲しみを忘れるのではなく、悲しみと付き合ってきたからこそ、強くいきてこれたんですよね。