これまで、抗がん剤の副作用による手足のしびれや痛みに対しては、決定的な治療法がありませんでした。リリカは、このような、末梢神経障害による痛みに対して効果が認められた、世界初の薬剤です。リリカの登場により、痛みの治療の選択肢が広がりました。痛みを早期に発見、早期に対処すれば、痛みを気にすることなく、本来のがんの治療に立ち向かうことができるのです。, 痛みには2 つの種類があります。1 つは刺激や炎症による痛み、もう1 つは神経の痛みです。, 刺激や炎症による痛みは、痛覚神経の末端が刺激されて起こるもので、がんの痛みの大多数を占めます。これには、鎮痛薬がよく効きます。, 一方、神経の痛みは、ケガや病気が原因となってダメージを受けた神経が過剰に興奮し、痛みの物質が過剰に放出されることによって起こります。原因が治っても痛みが長期間続くことがあり、「灼けるような」、「しびれるような」、「走るような」、「放散するような」などと表現される痛みです。「末梢性神経障害性疼痛(以下、末梢神経障害による痛み)」と呼ばれています。, 末梢神経障害による痛みの原因となる疾患として、帯状疱疹が治った後に痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」や、糖尿病が原因で手足の先が痛むなどの知覚症状が現れる「糖尿病性神経障害」などが知られています。, 一方、抗がん剤の副作用として、手足のしびれや痛みなどが現れることがあります。この副作用は、抗がん剤により末梢神経の細胞がダメージを受けることによって起こります。また、肺がんの手術でがんを摘出する際に肋間神経を傷つけてしまった場合、手術の傷が治った後も痛みが残る場合があります。, これらの痛みも帯状疱疹後神経痛などと同じ、末梢神経障害による痛みです。リリカ(*)は、この末梢神経障害による痛みに対して日本で初めて承認された、世界で初めての薬剤です。, 抗がん剤による末梢神経障害を起こしやすい薬剤として、タキソール(*)やタキソテール(*)、シスプラチン(*)などが知られています。初期には、指先に違和感を覚える、指先がピリピリする、手袋をはめているような感じがするなどの症状が現れます。放っておくと、ピリピリとした痛みがひどくなり、やがては神経組織が破壊され、指先の感覚がなくなってしまうこともあります。そのため、抗がん剤による末梢神経障害は、早期に発見し、早期に対処することが重要です。早期に対処すれば、症状が軽いうちに副作用を食い止められるからです。, ただし、がん患者さんに現れる痛みには、がんが直接の原因となっている痛みや、手術をした後の痛み、抗がん剤治療後の口内炎などによる口内の痛みなど、さまざまな痛みがあります。, 痛みの治療を考える場合、その痛みが刺激や炎症によるものなのか、末梢神経障害によるものなのかを見極める必要があります。刺激や炎症による痛みには通常よく使われる非ステロイド性抗炎症薬が効果を発揮しますが、末梢神経障害による痛みにはこの薬が効かないからです。, しかし、がん患者さんの痛みはこの2 つの痛みが混合していることも少なくなく、見極めは難しいのが現状です。, まずは、非ステロイド性抗炎症薬から使っていき、痛みの様子を見ながら薬を変更していくことになります。そのなかでリリカを使うことになるでしょう。, 痛みの原因は複雑に絡み合っているため、必ずしもすべての患者さんに効果があるわけではありません。しかし、リリカの登場により、これまでは打つ手のなかった末梢神経障害による痛みの治療の選択肢が広がったといえるでしょう。, *タキソール=一般名パクリタキセル *タキソテール=一般名ドセタキセル *シスプラチン=商品名ブリプラチンまたはランダ *硫酸ビンクリスチン=商品名オンコビン *オキサリプラチン=商品名エルプラット *カルボプラチン=商品名パラプラチン *ボルテゾミブ=商品名ベルケイド, リリカは通常、成人には150ミリグラムを1日2回に分けて、経口投与します。その後、1週間以上かけて1日300ミリグラムまで増やします。年齢、症状により、適宜増減しますが、1日600ミリグラムを超えることはなく、いずれも1日2回に分けて服薬します。腎機能が低下している場合は、投与量を減らす必要があります。また、腎機能が低下していない場合でも、高齢者や低体重の方は低用量での服薬を考慮します。, 一方、リリカは、めまいや眠気といった副作用が現れることがあります。服用後は、車の運転や危険を伴う機械の操作は避けたほうがよいでしょう。とくに、高齢者は転倒の危険性がありますので、注意が必要です。, また、人により体重が増えることがあります。肥満の徴候が現れた場合は、医師と相談した上で、痛みが我慢できるようなら中止することもできます。, 痛みは、本人にしかわからない感覚です。患者さん本人が「痛い」と訴えないと、医療者といえども、患者さんの様子から推し量ることしかできません。, 痛みは我慢せずに医療者に伝えましょう。顔の表情によって痛みの強さを医療者に伝えるスケールなどを上手に活用してください。医師をはじめとする医療者と、患者さんが率直にコミュニケーションをとることで、痛みに対する適切な治療を行うことができます。そして、リリカもその一端を担う薬剤として期待されています。, EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの治療薬 イレッサ(一般名ゲフィチニブ)/タルセバ(一般名エルロチニブ)/ジオトリフ(一般名アファチニブ)/タグリッソ(一般名オシメルチニブ), 前立腺がん骨転移の治療薬 ゾーフィゴ(一般名ラジウム-223)/ランマーク(一般名デノスマブ)/ゾメタ(一般名ゾレドロン酸)/メタストロン(一般名ストロンチウム-89), GIST(消化管間質腫瘍)の治療薬 グリベック(一般名イマチニブ)/スーテント(一般名スニチニブ)/スチバーガ(一般名レゴラフェニブ), 慢性リンパ性白血病の治療薬 FCR療法(フルダラ+エンドキサン+リツキサン)/アーゼラ(一般名オファツムマブ)/マブキャンパス(一般名アレムツズマブ), 悪性軟部腫瘍(軟部肉腫)の治療薬 アドリアシン(一般名ドキソルビシン)+イホマイド(一般名イホスファミド)/ヴォトリエント(一般名パゾパニブ)/ヨンデリス(一般名トラベクテジン), 悪性神経膠腫の治療薬 テモダール(一般名テモゾロミド)/アバスチン(一般名ベバシズマブ)/ギリアデル(一般名カルムスチン), 切除不能膵がんの治療薬 FOLFIRINOX療法/アブラキサン+ジェムザール併用療法, 閉経前ホルモン受容体陽性乳がんの治療薬 抗エストロゲン薬(ノルバデックス)/LH-RHアゴニスト(リュープリン、ゾラデックス), B細胞性リンパ腫の治療薬 R-CHOP療法(リツキサン+エンドキサン+アドリアシン+オンコビン+プレドニン)/VR-CAP療法(ベルケイド+リツキサン+エンドキサン+アドリアシン+プレドニン), もっとガイドラインを上手に使いこなそう! 『患者さんのための乳がん診療ガイドライン』はより患者目線に, 切除不能または再発乳がんの脳転移にも効果が HER2陽性乳がん治療薬「ツカチニブ」をFDA承認, 5個以内の転移なら治癒の可能性も 乳がんのオリゴメタスタシスに対する体幹部定位放射線療法SBRT, 遺伝子情報をもとに効果の高い治療法を選択 膵がんにおける遺伝子変異に基づくゲノム医療とは. これまで、抗がん剤の副作用による手足のしびれや痛みに対しては、決定的な治療法がありませんでした。リリカは、このような、末梢神経障害による痛みに対して効果が認められた、世界初の薬剤です。リリカの登場により、痛みの治療の選択肢が広がりました。 痛みがずっと続く状態を「疼痛」と表現します。神経が障害されると、疼痛として痛みが引き起こされてしまいます。 このとき、神経細胞にはカルシウムが流入するための受容体(カルシウムチャネル)が存在します。疼痛が起きている状態では、カルシウムチャネルを通じてカルシウムが神経細胞内に入ってきます。これによって神経細胞が興奮し、神経伝達物質が過剰に放出されます。 この時に放出される神経伝達物質の中には痛みを引き起こす物質も含まれるため、結果として痛みが起こります。こ … 肺腺癌 ros1融合遺伝子 ステージ4抗がん剤43日目3クール 1回目 初日本日は、抗がん剤の日でした。アブラキサンとカルボプラチンダブルの日です退院前の… Ameba新規登録(無料) ログイン. 芸能人ブログ 人気ブログ. 抗がん剤治療(TC療法)4~7日目 副作用による全身の痺れや神経痛、関節痛 首腫瘍部分は更に腫れ、周辺の痛みも増し 苦しい毎日でした8日目以降、痛みも段々と治… 昨日診察 | 在るべき形. 抗がん剤と聞くと皆さんはどんなイメージを持ちますか?⭕️吐き気⭕️脱毛⭕️寝たきり・・・私のイメージはそんな感じでした抗がん剤なんてテレビドラマではよく出てく… ホーム ピグ アメブロ. 在るべき形.