概要. 対戦車ミサイル(たいせんしゃミサイル、英語: anti-tank missile, ATM )は、戦車を攻撃するために用いられるミサイルである。 対戦車誘導ミサイル( anti-tank guided missile, ATGM )、対戦車誘導兵器( anti-tank guided weapon, ATGW )とも呼ばれる。. エリカ(Erika):重量 107kg、射程 655-1,635m 対戦車ミサイル(たいせんしゃミサイル、英語: anti-tank missile, ATM)は、戦車を攻撃するために用いられるミサイルである。対戦車誘導ミサイル(anti-tank guided missile, ATGM)、対戦車誘導兵器(anti-tank guided weapon, ATGW)とも呼ばれる。, 日本の防衛省(自衛隊)においては対戦車誘導弾(たいせんしゃゆうどうだん)と呼称し、MAT(missile anti-tank)の略号を与えている。これはATMを「アトム」と読み得る(実際の「核」の意味で書かれるアトムは「ATOM」である)ため、核兵器を使用しているとの誤解を避けることを目的として、敢えて語順を変更したものである[要出典]。, 戦車は強固な装甲により防御されているため、少量の火薬による通常の爆発ではダメージをあまり与えられない。また、ミサイルは飛翔速度が砲弾(APFSDS弾など)と比べて非常に遅いために、運動エネルギーによる装甲貫通は行えない。そのために、対戦車ミサイルでは爆発の威力を一点に集中させることができるHEAT(成形炸薬弾)を用いて戦車の装甲を貫く。, 対戦車ミサイルは、車両や航空機などに装備されるものが多いが、人力で搬送可能なものも多く、歩兵部隊の対戦車班の主要装備となっている。戦闘車輌以外にも人間、建物、陣地などに対しても使用可能な事から、ロケットランチャーや携帯型地対空ミサイル同様、ゲリラや民兵が好む装備となっている。もっとも、価格は地対空ミサイルよりはずっと安価とはいえ、日本円で一発あたり数百万円もするため、大国から装備を供与されていない民兵組織では、おいそれと自腹で調達できるものではない。, 副次的な利用として、対艦ミサイルに比べて廉価かつ高速であることから武装ボートや上陸用舟艇に対する攻撃にも用いられる。イラン・イラク戦争において、イラン革命防衛隊海上部隊の武装ボートおよび突撃艇への対抗手段として、ペルシア湾に展開したアメリカ海軍がBGM-71 TOWを使用した。日本の79式対舟艇対戦車誘導弾は、舟艇を主目標の一つとして開発されている。, 有効射程が短い砲を補完するために、通常砲弾と対戦車ミサイルの双方が発射可能なガンランチャーと呼ばれる大口径の主砲を備えたM551シェリダン空挺戦車の様な車輌も存在していた。現在は戦車砲自体の大口径化とミサイルの小型化により、ロシアの9M119やイスラエルのLAHATの様に通常の戦車砲から発射できるタイプが登場している。, 世界で最初に開発された対戦車ミサイルは、第二次世界大戦中の1941年にドイツで開発が始まり、1944年に実物でのテストが行われた「X-7 ロートケップヒェン(Rotkäppchen、赤頭巾ちゃん)」である。, X-7は、終戦までに300発ほどが完成したが、実戦での使用は無かったとされる。また、誘導命令を赤外線で伝える方式や、今で言う第二世代の誘導方式、そして画像認識による誘導など様々な誘導方式の研究がされていた。これらは計画の域を出なかった。また、X-7以外にも様々な対戦車ミサイルが計画されていたがそのほとんどは完成していない。, 世界で最初に実戦使用された対戦車ミサイルは、フランスのSS.10である。SS.10は、低コストで戦車を駆逐する兵器という前提で開発が行なわれ、軽戦車や対戦車砲のような重装備を用いなくとも、トラックやジープで軽快に移動する兵士によって大量に戦車を駆逐する装備を持つことが可能になった。, 世界で最初に対戦車ミサイルが大規模に用いられたのは第四次中東戦争である。エジプト陸軍がイスラエル陸軍戦車部隊に対してAT-3 サガー対戦車ミサイルを集中使用し、大打撃を与えることに成功した。そのため、一時はミサイル万能論(戦車不要論)が大きく取りざたされた。しかし、戦車側も対戦車ミサイルに対抗するため、爆発反応装甲(ERA)などのHEATを無効化する手段を有するようになった。その後、本格的な防護力を持つ第三世代主力戦車が登場したため、ATGMもより強力なものを望まれている。, そのため、HEATを2段にし、一段目の弾頭で爆発反応装甲を破壊、2段目が装甲を破るタンデム弾頭を持つタイプや、戦車の装甲が比較的薄い上面を狙ってHEATを打ち込むタイプ(スウェーデン製のBILLなど)、旧来のHEAT弾頭ではなく戦車砲弾であるAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)と同等に運動エネルギー弾を目標に超高速で突入させる事で、反応する猶予を与えず爆発反応装甲ごと撃破することが可能なLOSATの様なタイプもある。, 地対空ミサイルなどと異なり、対戦車ミサイルは電気信号を送るワイヤーによる有線誘導方式が多いが、近年では光ファイバーを用いたものや、ワイヤーを用いないアクティブ誘導でより高速のタイプも登場している。また、以下のように機能により各世代に分類される。, 照準器または双眼鏡で目標を照準し、飛行中のミサイル後部の噴射炎や発光マーカーでその位置を確認しつつ、ジョイスティックで誘導する遠隔操作誘導方式。目標と自分のミサイルを同時に目で追う必要があり、ミサイルも低速で横風の影響を受けやすい。当然、照準手によるミサイルの操縦が必要となり、照準手が無力化されてしまえば誘導も不可能となる。, 代表例として、世界初の実用対戦車ミサイルとなったSS.11や、AT-3 サガー、64式対戦車誘導弾などがあげられる。, 前記第1世代を改良した誘導方式を採用。飛行中のミサイルの位置は人間のオペレーターでなく誘導装置がセンサで検出する。オペレーターが照準器の中心に目標を捕らえ続けていれば、照準線とミサイルの位置の差を誘導装置が計算して誘導信号をミサイルへ送信する。照準手は目標だけを追えばよくなり、特別な操作能力が無くとも誘導が可能になったが、やはり目標に命中するまでは誘導(操縦)し続ける必要がある。, 代表的な例として、西側諸国のBGM-71 TOW、HOT、ミラン、79式対舟艇対戦車誘導弾、東側諸国のAT-4、AT-5などがあげられる。, Nd-YAGなどの照準レーザーを目標に照射し続けることで、ミサイルの弾頭が目標から反射したレーザーを検出して飛行するセミアクティブ誘導方式。誘導ワイヤーが廃されたことでミサイルが高速になり、また、発射地点から離れた場所から、さらに発射手とは別の照準手でも誘導が可能になった一方で、照準レーザーを感知される、有線誘導でないために敵のジャミングに弱くなるといった欠点も登場した。, 目標の発する赤外線を映像としてとらえ、これをミサイル先端部のシーカーが感知して飛行するパッシブ誘導方式。発射直後に照準作業を終了して、射手が退避することが容易になった、完全な「撃ちっ放し」だが、フレアなどの赤外線ジャミングに弱い。, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=対戦車ミサイル&oldid=74502698. M72 LAW(Light Anti-Tank(Anti-Armor) Weapon)は、口径66mmの使い捨て 対戦車ロケット弾である。. M/50 375mm対潜ロケット砲は、1948年ごろより開発開始された対潜迫撃砲である。ここから投射されるロケット 爆雷としては、弾頭重量と射程に応じて4つのバリエーションが開発された。 いずれも胴体直径は375mm 。. M/50 375mm対潜ロケット砲(M/50 375ミリたいせんロケットほう)は、スウェーデンのボフォース社の開発した375mm 4連装対潜迫撃砲。対潜爆雷を投射するロケット砲である。海上自衛隊においても、71式ボフォースロケットランチャーとして制式化されていた[1][2][3]。, M/50 375mm対潜ロケット砲は、1948年ごろより開発開始された対潜迫撃砲である。ここから投射されるロケット爆雷としては、弾頭重量と射程に応じて4つのバリエーションが開発された。いずれも胴体直径は375mm[3]。, また、発射機としては、4連装のM/50型が通常用いられ、口径375mm、長さ約3,600mmの発射筒4本を山なりにまとめている[3]。その他、軽量の2連装型、そして、フランスのクルゾー・ロワール社が独自に開発した6連装型がある。いずれも遠隔操作で旋回・俯仰・発射でき[1]、甲板下から12回の再装填が可能である。装填時は、仰角を90度と垂直にし、筒後端より装填する[3]。M/50型発射機は、1954年-1955年にかけて試験を受け、1956年より運用を開始した。また、もっとも長射程のロケット爆雷であるネリ型は1972年に試験を受け、1974年より生産を開始した。, 弾体は、後部に安定翼を付けた形状をしており、固体燃料ロケットとして飛翔する[3]。無誘導ロケットであり、発射機の仰角により、飛翔距離を調節する[3]。, ボフォース375mm対潜ロケットランチャーは、信頼性・性能に優れた対潜前投兵器として各国で運用されたが、Mk 32 短魚雷発射管やアスロック対潜ミサイルなど、誘導式の対潜短魚雷を投射する対潜兵器が普及するにしたがって、無誘導の対潜ロケット弾は旧式と見なされるようになり、現在、徐々に退役が進められている。, しかし、1980年代後半より対魚雷防御兵器として着目されるようになったほか、冷戦終結後の非対称戦争においては、誘導魚雷の使用が困難な浅海域での対潜兵器として再評価されるようになり、1992年にはSAAB社が誘導ロケット弾を発表し、また、改良された軽量発射機の開発も行なわれている。, 日本の海上自衛隊でも、1960年代初頭よりボフォース375mm対潜ロケット・ランチャーの運用を開始しており、4連装発射機型は71式ボフォースロケットランチャーとして制式化された[1]。三菱重工業においてライセンス生産されている[1]。ネリも開発されると同時にこれを導入した。エリカを対潜ロケット2型、フローラを対潜ロケット3型として導入した[2][3]。, 「きたかみ」と「おおい」には、輸入品が装備されたが、その後の艦はライセンス生産品を装備している[3]。「あきづき」、「てるづき」、「いすず」、「もがみ」は「ウェポン・アルファ」ことMk.108対潜ロケットランチャーより、こちらに換装している[3]。, 兵装,高須廣一,海上自衛隊護衛艦史 世界の艦船2000年7月号増刊,P188-195,海人社, 71式ロケットランチャー,梅野和夫,『丸スペシャル』 No76 水雷兵器,潮書房,P10-13,1983年, Bofors 375 mm ASW Rockets - Archived 6/99, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=M/50_375mm対潜ロケット砲&oldid=68891907. M72 LAW(Light Anti-Tank(Anti-Armor) Weapon)は、口径66mmの使い捨て対戦車ロケット弾である。, 設計はアメリカ合衆国のTalley ディフェンス、製造はノルウェーのNammo Raufoss ASである。アメリカ陸軍では、朝鮮戦争以後バズーカの後継装備品として導入された。現代の主力戦車を相手にするには力不足だが、軽便であるため軽車両や軟目標に標的を変えて使用が続けられている。, その外観と使用法から、別種の兵器であるにもかかわらず、先代の物と同じ「バズーカ」と誤って呼ばれることが多い。, M72は、1発の成形炸薬弾を2本の筒を1列につなげた発射機で梱包した構成である。運搬状態では、アルミニウムの発射機後部はガラス繊維強化プラスチックの前部発射機の中に収納されている。この状態では、発射機は防水容器の機能を持ち、また、弾薬の点火系列は遮断されて安全に運搬できる。, 発射機前部には上部に押し込み式のトリガー、折り畳み式の照星と照門、下部に後部ガス噴射口カバーがつく。発射機後部には点火装置が設けられている。後部を引き伸ばして展開すると、点火系列が接続され射撃可能となる。一度発射機を展開すると、再び後部を収納して運搬状態に戻しても防水機能は戻らない。, 弾薬は口径66mmの成形炸薬弾で、PIBD信管と弾道を安定させる6枚の翼がある固定弾である。翼は弾底部にあり、ヒンジを介して前方に折り畳まれた状態で装填されている。威力は、300mm以上の装甲を貫通可能。このロケット弾の設計は、1950年代から運用されてきたM31 HEAT ライフルグレネードのものに準拠したものとなっている。, 射撃姿勢は、後部を引き伸ばした発射機を肩に担ぐようにして発射する。照準は、25m毎の目盛がついた照星を照門から覗き込んで行う。トリガーの前にあるつまみを前方へ引き出して安全装置を解除し、トリガーを押し込むと弾薬に内蔵されている推進薬が燃焼して約760℃のガスを後方に噴射し、ほぼ無反動で発射される。, 後方危険地域は軸線後方の左右30°距離40mの範囲で、発射時にはこの範囲に高温のガスを噴射する。一度射撃した発射機は次弾の再装填はできず、廃棄される使い捨て式である。, 1960年代から運用されている。あらかじめ弾薬が発射機に装填された状態で支給される使い捨て兵器というアイデアは、1943年にドイツで開発されたパンツァーファウストの流れを組むが、小型軽量のロケット弾を装填しているという点ではM72は画期的なものであった。, M72はベトナム戦争時代の兵器で、大部分はSMAW ロケットランチャーやM136 AT4に更新されたが、一部は現役である。1990年代に改良型のM72A4-A7までが登場した。, 安価簡便なM72は、登場当初より陣地や市街地に籠る敵や火点を攻撃する兵器として利用された。最近のイラク戦争、アフガニスタン侵攻でもアメリカ軍、カナダ軍が使用した。, このほかに、ソビエト連邦製のRPG-18とRPG-22、チェコスロバキア製のRPG-75、ユーゴスラビア製のM80 ロケットランチャーが、M72 LAWと同様に携帯時に縮められた砲身を発射準備時に引き延ばす構造を有している。, また、厳密には派生型とはいえないが、XM191 ナパーム弾ロケットランチャーやM202 4連焼夷ロケットランチャーは、M72と同一の口径66mmであり、弾薬を共有することができる。, アメリカ陸軍野戦教範"FM 23-25 LIGHT ANTIARMOR WEAPONS", Gary's U.S. Infantry Weapons Reference Guide, Article on the reintroduction of the LAW in Iraq by the USMC, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=M72_LAW&oldid=79422330.