『レインマン』は公開時も劇場で観たし、その後もテレビ等で何度も観てしまうほど大好きな作品。夫にも是非観て欲しいと思っていて、先日ついにその機会に恵まれた。, 『レインマン』は1988年の作品なのでザックリ30年以上前の作品と言うのだから驚きだ。, 作品の素晴らしさもさる事ながら、とりあえずトム・クルーズの正統派男前っぷりに驚愕して欲しい。, 『ミッション・インポッシブル』のトム・クルーズしか知らない若い方に是非観て戴きたい。, 主人公のチャーリー(トム・クルーズ)は高級車のディーラー。しかし、経営が行き詰まっていて、今にも倒産しそうな状態。, そんなチャーリーの元に絶縁中の父の訃報が届く。チャーリーは父の遺産をもらうべく故郷に帰るが、チャーリーに残された父の遺産は古いクルマと薔薇の花だけ。, 父の莫大な財産は施設で暮らす自閉症の兄、レイモンドに信託財産として運用されることになっていたが、チャーリーは父の死まで自分に兄がいる事さえ知らされていなかった。, チャーリーは遺産を手に入れようと、施設から強引にレイモンドを連れ出し、ロサンゼルスに戻ろうとする。兄のレイモンドとの旅をすることで、チャーリーが今まで知らされていなかった様々な事実が浮かび上がってくる。, 今となっては信じられないような話だけれど「自閉症は親の育て方が原因」と本気で思っている人さえいた時代だ。, 映画公開当時は「ダスティン・ホフマンの自閉症の演技が凄過ぎる」と話題になったのを覚えている。実際凄い。, ダスティン・ホフマンはレイモンドのモデルになったキム・ピーク氏に直接会ったりして、自閉症について相当な勉強をしたとのこと。, ちなみに、レイモンドのモデルになったキム・ピーク氏(2009年に他界)は これまで読んだ書物を写真のように正確に記憶する事が出来て、普通の人が3分かかって読む本をを8秒で読むことが出来たらしい。, 首のかしげ方や視線の動かし方まで自閉症の人の特徴を捉えていて「自閉症の人をテーマにしたドキュメントです」と言われても納得して観ただろうと思うレベル。, 『レインマン』では主人公のチャーリーと自閉症の兄のレイモンドが一緒に旅をすることで心を通わせていく過程が丁寧に描かれている。, 「心を通わせていく過程」と書いてみたものの『レインマン』の本当に素晴らしいところは、心を通わせたところも描きつつ「越えられない壁」をキッチリ描いたところにあると私は思っている。, 知的障害を持つ人や発達障害を持つ人と実際に関わってみると「彼らも私達と同じなんだなぁ」と感じる反面、越えられない壁を感じる事がある。, 主人公のチャーリーは兄と旅をする中で「自分が兄を引き取って兄と一緒に暮らしたい」と思うようになるのだけれど、兄のレイモンドはチャーリーに対して、チャーリーが思っているのと同じ感情を抱くことが出来ないのだ。, チャーリーとレイモンドの母親はチャーリーが幼い頃に病気で他界しているのだけど、兄のレイモンドが施設で暮らすようになったのは母親が亡くなった時期とほぼ同じ。, レイモンドの失態からチャーリーが大火傷を負いそうになった事件があり、父親はチャーリーを守るためにレイモンドを施設に入れたのだった。, 「当たり前のことが当たり前に出来ない人との生活」って、普通の人が想像できないようなトラブルが多発する。, 父親が重度の自閉症の兄と幼い弟を抱えて生活するのは無理だっただろうし、兄を施設に入れたのは正しい選択だったと思う。, チャーリーは本気で「兄と一緒に暮らしたい」と思うのだけど、チャーリーはしょせん兄と1週間旅をしただけに過ぎない。, 『レインマン』が名作とされるのは「お涙頂戴の障害者映画」に留まっていないところにあると思う。, チャーリーは兄が天才的な記憶力を持っていることを利用して、兄にブラックジャックを教えて、ラスベガスに乗り込む。当然ながら2人は大勝ち。, 兄のレイモンドも彼なりにラスベガスを楽しんだらしく、女性をデートに誘ってみたり、女性とデートでダンスを踊るために、兄弟でダンスの練習をしたりもする。, 「他人と身体を接触するのが苦手」なレイモンドがチャーリーとダンスする場面は美しく心暖まる名場面だと思う。, 『レインマン』は細かいところまで本当に気が利いていて、視聴する時は是非エンドロールにも注目して戴きたい。, エンドロールでクレジットと一緒に写真が流れるのだけど、実はあの写真はレイモンドが旅の途中に撮影したもの。, 映画をじっくり観ていると、レイモンドはカメラを持っていてちょいちょい写真を撮っている。, 写真は一般的な記念写真やポートレートと違って「どうして、これ撮った?」みたいな被写体だったり、ピンとがズレていたりする。, しかし、エンドロールに流れる写真こそがレイモンドの世界だったのだな…と思うと感慨深いものがある。, 私がこのエンドロールに気付いたのは何度目かに観たときのこと。初回を映画館で観た時は全く気がつかなかった。, 1972年生。女性。「ゆら」または「ゆらら」と名乗ることもあります。詳しいプロフィールはこちら。お問い合わせはこちら。, Sorry, you have Javascript Disabled! 80年代を代表する映画の1本『レインマン』はトム・クルーズとダスティン・ホフマンを主演に迎え、アカデミー賞作品賞を始めとする多数の賞を受賞しました。サヴァン症候群の兄レイモンドとその弟チャーリーの交流を描いた作品の魅力を今回は大紹介します!, 1988年に公開された映画『レインマン』。主演にトム・クルーズとダスティン・ホフマンを迎えた今作はアカデミー賞作品賞を受賞しました。, 本作は自由奔放な弟チャーリーとサヴァン症候群を持つ兄レイモンドの交流を描いた傑作ロードムービー。今回はそんな名作の魅力を大紹介します!, チャーリー(トム・クルーズ)は中古の高級車のディーラーを経営している青年。なかなか売り上げが伸びずに困っている彼のもとに、いい関係を築けていなかった父の訃報が届きます。, 彼は彼女のスザンナと共に父親の遺産を手にするために故郷に帰ることに。しかしチャーリーは父親の遺産が全てサヴァン症候群を持つ兄レイモンド(ダスティン・ホフマン)の信託財産として運用されることを知るのです。, 何とか遺産を手に入れたいチャーリーはロサンゼルスまで旅行に行こうとレイモンドを施設から連れ出します。レイモンドはサヴァン症候群を持っているため、普通にコミュニケーションをとることはできませんが、抜群の記憶力を持っていました。, そんなレイモンドのことを気に入ったスザンナは彼の世話をします。しかし旅行の目的が遺産を奪い取ることと知ったスザンナは怒って立ち去ってしまうのです。, 兄の世話をしなければいけなくなったチャーリーですが、彼の世話を行っているうちに様々な記憶がよみがえります。そして辛いときに一緒に歌を歌ってくれたレインマンというニックネームの男がレイモンドであると気づくのです。チャーリーは兄と接しているうちに本当に愛情が湧いてきて、遺産目的ではなく、本当の後見人になることに。, そしてチャーリーの意思を知ったスザンナが彼らの元に戻ってきます。途中立ち寄ったラスベガスのカジノではレイモンドの抜群の記憶力で大金を獲得。またレイモンドはある女性に恋をします。チャーリーが2人をひっつけようとしますが、上手くいきません。, 兄弟は失われた時間を埋めるかのように、共に様々なことに挑戦。しかしレイモンドは社会不適合者と診断されます。チャーリーは兄とつきっきりでいるか、それとも病院に戻すか選択を迫られることに。, サヴァン症候群を持つレイモンドを演じたのは名優ダスティン・ホフマン。彼は1937年8月8日カリフォルニア州出身の俳優です。今では名優と言われるホフマンがブレイクするきっかけとなった作品は1967年の映画『卒業』。彼はベン・ブラドック役を演じ、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされます。, その後1979年の映画『クレイマー、クレイマー』で子育てに奮闘するサラリーマン、テッド・クレイマーを好演しアカデミー賞主演男優賞を受賞しました。今作『レインマン』でもサヴァン症候群を持つレイモンドという難しい役柄を演じ、再びアカデミー賞主演男優賞受賞します。, チャーリーを演じたのは言わずと知れた大スター、トム・クルーズ。彼は1962年7月3日ニューヨーク州出身の俳優です。, 彼を一躍スターダムに押し上げた作品と言えば1986年の映画『トップガン』。トムは戦闘機のパイロットであるピート・ミッチェルを演じ、世界的に大ブレイクを果たしました。, その後1989年の映画『7月4日に生まれて』でのロン・コーヴィック役、1996年の映画『ザ・エージェント』でのジェリー・マグワイア役でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされます。, 近年も精力的に活動をし、2015年には自身の代表作である「ミッション:インポッシブル」シリーズの最新作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』でイーサン・ハント役を演じました。, チャーリーの恋人スザンナを演じたヴァレリア・ゴリノは1966年10月22日生まれのイタリア・ナポリ出身の女優です。, キャリア当初イタリア国内で活躍していた彼女が世界的知名度を得ることになった作品が1986年のイタリア映画『Storia d'amore』。彼女は主役のブルナを好演し、見事ヴェネツィア国際映画祭女優賞を受賞し注目を浴びます。, その後今作『レインマン』に出演したことで世界的知名度を獲得。活動の拠点は主にイタリアに置き、近年でも2015年の映画『あなたたちのために』にアンナ役で出演を果たしています。, 当初チャーリーはレイモンドのことを全く覚えていませんでした。というのも2人が交流していたのはチャーリーが2歳、レイモンドが18歳の頃だったからです。, その後レイモンドは施設に入れられたので、大人になったチャーリーは兄がいるということも知りませんでした。, 2歳の頃のチャーリーはいつも一緒に歌を歌ってくれるレイモンドのことをレインマンと呼んでいました。彼がレインマンと呼んでいた理由はとてもシンプルなもの。2歳のチャーリーの耳にはレイモンドではなくレインマンと聞こえていたからです。, 名作映画と評される今作にはたくさん名シーンがあります。おそらくファンの方も1つや2お気に入りのシーンがあるでしょう。, お気に入りのシーンを持っているのはキャストも同じ。名優ダスティン・ホフマンはあるシーンがとても気に入っているのだそうです。, そのシーンとは電話ボックスでチャーリーが電話をしている最中にレイモンドがおならをする場面。, 実はこのシーン少しアドリブが入っていて、ホフマンは本当におならをしたのです。このユーモアあふれるシーンがホフマンのお気に入りのシーンなのだそうですよ。, レインマンのモデルとなった実在の人物がいます。それはサヴァン症候群を持つキム・ピーク。, 映画の原作を執筆したバリー・モローは1986年にピークと初めて出会いました。その時に目の当たりにした彼の驚異的な能力に圧倒されて小説を書き上げることにしたそうです。, 今作でアカデミー賞脚本賞を受賞したバリー・モローはオスカーのトロフィーをピークに贈っています。, またダスティン・ホフマンも役作りを行う上で彼と長い時間を一緒に過ごしたそうです。ホフマンはピークの父親に世界にキム・ピークという存在を伝えるとも約束していました。, ピークは映画公開後、死を迎えるまでの約20年間世界中を旅して、その驚異的な能力で人々を驚かせてきました。, そしてトム・クルーズ演じるチャーリーの焦り具合はナイス。 映画『レインマン』あらすじ【ネタバレ注意】 チャーリー(トム・クルーズ)は中古の高級車のディーラーを経営している青年。 なかなか売り上げが伸びずに困っている彼のもとに、いい関係を築けていなかった父の訃報が届きます。 いたずらにコミカルにするわけでもなく、ダスティン・ホフマンの演技はやりすぎることもなくクール。それは脚本も同様に、刺激的... 「Yahoo!映画」はYahoo! Copyright (C) 2020 GYAO Corporation. 続きをみる, 数年後に初めて、Who's on firstの本ネタを見て爆笑しました。ホフマンはすごい。. 1988年アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞で作品賞、1989年ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した。, 遺産目的だった主人公金銭的に困難な状況に追い込まれていた為、物語冒頭から主人公チャーリーに良いイメージを持つことができませんでした。しかし、それは振り返って考えてみると、制作側の意図的なものだったと考えることができます。物語冒頭から、良い材料がひとつも揃っていません。むしろ、悪い面を全て吐き出しているかのように感じられるのです。自分勝手に兄レイモンドの元を訪ね、施設から連れ出す行動にも、一般的な感覚からは理解を超えています。物語冒頭から、主人公であるチャーリーは悪役なのです。これは物語を描く手法として、悪役として、落とすところまで落としておき、後に、観客の株を上げていく作戦が取られているだと考えられます。とことん悪く描くことで、人間性が良くなった場面を描けば、チャーリーの印象は物語最後には良くなってしまうのだと考えられるのです。そういった意味では、非常にズルい作り方をされた物語だと考え...この感想を読む, とにかくキャストが良かった。トムクルーズとダスティンホフマンが演じた兄弟がなんとも愛おしく思えるくらいのめり込んだ。設定もなかなか面白い。チャーリーはしばらく会っていなかったサヴァン症候群の兄レイモンドに、父の遺産が大半入ってくることを聞き、お金目当てで近付く。最初はなんだこの最低な弟は!と憤ってしまったのだが、だんだんとレイモンドに惹きつけられ、そしてチャーリーの心はあたたかいものに変化していく過程が観ていて涙を誘った。チャーリーの根の優しさや、レイモンドの純真無垢さがこのストーリーに厚みを持たせている点だと思う。なぜチャーリーはレイモンドを見捨てられず、面倒を見るようになったのか、それはただ単に兄弟だから、というだけではなく、幼少期の「レインマン」、つまりレイモンドとのあたたかい思い出にあったように思う。そし自分のせいで病院に入院することになってしまったレイモンドに対する罪悪感がず...この感想を読む, アカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞を受賞した名作です。サヴァン症候群のレイモンドを演じたダスティン・ホフマンの演技が素晴らしいです。親の遺産目当てのクズな弟チャーリー役のトム・クルーズもとてもいい味を出していました。でも旅をしながら、兄と弟がだんだん仲良くなっていく様子はとても微笑ましかったです。道中、レイモンドが下着を買うのにKマートじゃないといやだとごね、チャーリーが「どこで買っても一緒だ!」と甲高い声でヒステリーを起こすシーンはいつ観ても笑ってしまいます。トム・クルーズの声って、顔に似合わず高くて、怒った演技だとコミカルに感じます。人にも1度は観てとお勧めしたい、大好きな映画です。.