// ]]> 作用機序は難しいですが、簡単に説明すると「静脈投与→脊髄に到達→核内で環状DNA(エピソーム)として永続的に留まる→正常なタンパク質を生産→疾患改善」といった感じになります。, ただし1回で治療終了となり、継続投与は不要なため、治療全体にかかる費用は抑えられます。, そして前述のように患者数はかなり限定されますので、医療財政に与える影響はそこまで大きくないかもしれません。, アメリカは国民皆保険ではないため、薬価は自由がききますが、逆に高額医療を受けられる方は限定されます。, この売り上げや薬価をそのまま日本に適応して考えてはいけないことに、注意するべきではあります。, 日本は国民皆保険であり、高額医薬品を大量の患者さんが使用すると医療財政が崩壊します。, ですので、承認後に万が一他の適応取得などで患者数が増えれば、オプジーボの時に無理やりつくられた制度で、薬価が抑制される可能性はあります。, このゾルゲンスマですが、2/26の薬事・食品衛生審議会再生医療医薬品等・生物由来技術部会での承認の可否を審議する見通しとなりました。, この薬剤は先駆け審査指定制度の対象となったものの、申請から1年以上審議対象から外れていました。, そして通常通り、原価計算方式に基づいて薬価が算定されるとすると、「薬価は1億円を超えるはず」です。, 患者数から医療経済に与える影響は限定的と見ますが、まぁきっと色々なところから、色々なやっかみが入るでしょうね。, 予言しておきますが、「値段が高いってだけ」で、メディアや中協医は叩いてくるでしょう。, でも自分や家族がこの疾患のような指定難病に罹患したとき、胸を張って同じこと言えるのかな?, この薬を研究所で創った方々は、正直こんなくだらない価格の問題で、うだうだやってほしくはないのではないか?と思います。, じゃあメーカーが安くしてよって、平気で言われる世の中ですが、アンメットメディカルニーズを満たすことは、本当に大事だと思う反面、製薬会社もボランティアじゃないので、それなりにペイできないと困るのです。, 主に医薬品関連や臨床試験に関する気になるトピックスについて、医薬品開発担当者の視点で書いていきますー!, 億越えの世界一高価な遺伝子治療薬ゾルゲンスマ承認、薬価はどうなった?(ノバルティス), この会社何している?:2バイオベンチャーの名前の由来と会社概要(OTS、カルナバイオ、GNI), 特発性過眠症でも治験実施中!先駆け審査指定化合物のその後(TAK-925:その2). (1)現在のSMA治療に用いられるスピンラザを10年間使ったら410万ドルかかるが、そのおおよそ50%。 中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関、中医協)は13日の総会で、筋力が低下する難病「脊髄性筋萎縮症(SMA)」の遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」への公的医療保険の適用を了承した。公定価格(薬価)は1億6707万7222円で、保険の対象とする薬では国内最高額となる。20日から適用される予定。, スイスの製薬大手ノバルティスファーマが開発したゾルゲンスマは、米国での価格は2億円を超え、国内での価格に注目が集まっていた。 [CDATA[ (3)費用対効果は1QALY当たり25万ドルとなり、ICERが設定する小児超希少疾患の閾値の50%以下。, 割安感を強調していますが、ちょっと気になったのはZolgensmaのフェーズI試験が2014年に始まったということ。ヒトでの投与経験がまだ最長で5年、高用量では4年ほどしかたっていないのに、10年間効くことを前提とした計算を公表しています。相当な自信の表れと言えるでしょうが、そう理論通りに事が進むでしょうか。, 薬代の支払いについても注目で、5年間の分割支払がアウトカムベースで行われるようです。どのようなアウトカムに基づきどのような支払いが発生するのか詳細はまだ不明ですが、Novartisは前CEOのJoseph・Jimenez氏が「我々は成果報酬型のプライシングの先頭を行く」と宣言したとおり、キムリアに続いて高額薬をいかに世間で浸透させるかについて、試行錯誤を続けているようです。, さて日本ですが、こうなるともうZolgensmaの1億円超えは確実と言えそうです。今後続出する、ウイルスベクターを用いた遺伝子治療薬の価格を決める上で重要な品目であることは間違いありません。, ところが、日本での承認はやや遅れています。Zolgensmaは申請後6カ月での承認を目指す先駆け審査指定制度の対象品目ですが、承認申請は2018年11月になされています。間もなく7カ月がたとうとしていますが、まだ薬食審部会にも登場していません。承認してしまうと90日ルールで薬価を決めなければならないので、慎重にならざるを得ないのではないでしょうか。この夏はキムリア以上の大騒ぎになるのではないか。そう感じています。, ヘルスケア産業を取り巻く破壊的変化の中で、日本の製薬・バイオ業界はどこに勝機を見出すべきか。今後の成長戦略を描くために、ぜひ本書をご活用ください。. Copyright Nikkei Business Publications, Inc. BIOVIA 研究開発から品質管理までのサイエンティフィック・ソフトウェア ご紹介, 11月25日(水)16時開催 無料WEBセミナー:スケールアップに伴う遠心条件設定変更のポイント. Projected increase in amyotrophic lateral sclerosis from 2015 to 2040. 日野市長への2.5億円請求命令 ごみ搬入道路設置は違法―東京地裁 (11/12 17:56) 「窓口負担2割」議論本格化 75歳以上、線引き焦点―社保審部会 2016;7:12408. 皆様、おはようございます。日経バイオテク副編集長の野村です。ついに、あの薬が出てきました。スイスNovartis社の脊髄性筋萎縮症(SMA)の遺伝子治療薬、Zolgensmaです。, Zolgensmaは24日に米食品医薬品局(FDA)によって承認されました。人工呼吸器なしでは2歳以上生きられないと言われている乳児型SMAを1回で治療することができる薬です。フェーズIIIのSTR1VE試験では21人の患者に投与され、2019年3月の時点で19人がイベントフリーで生存(1人死亡で1人は試験中止)。フェーズIコホートのSTART試験では高用量群12人中2人が立ったり歩いたりできているという素晴らしい臨床効果を発揮しています。, 同時に価格も発表されました。212万5000ドルだそうです。1ドル110円で計算すると2億3375万円。高額さが批判を浴びていたLuxturnaの85万ドルを大きく上回り、米国で薬価の史上最高額が更新されました。, 昨年11月にNovartisのDave lennon氏が「Zolgensmaの価格は400万ドルから500万ドルでも費用対効果に優れる」と発言したことが広く報道されたのを覚えている方はそう思ったのではないでしょうか。Zolgensmaにどんな価格が付くか注目が集まりましたが、これを引用して「あのとき500万ドルを吹っ掛けたのは、正式な値段を安く見せるのに役立った」と皮肉っている海外メディアもありました。, Novartisは212万5000ドルとはどういう価格かを、以下のように説明しています。 //