そ... 人気実力ともに兼ね備え、日本映画界を牽引する岩井俊二監督。その才能は日本のみならず世界でも認められています。岩井美学と呼ばれる特徴的で独特な感性から生み出される作品は、唯一無二のものばかり。この記事では、岩井俊二が監督... テレビドラマ『あまちゃん』で脇役ながら注目を浴びた松岡茉優。映画『万引き家族』などでも実力が評価され、さまざまな役柄を演じています。セリフだけでなく、想いのこもった表情の演技が見る人の心を惹きつける実力派女優です。この... 子役から活躍してきた女優・葵わかな。朝ドラ『わろてんか』でヒロインを演じ、ますますトップ女優への道へ駆けあがっています。この記事では葵わかなが演じた役柄と作品について紹介します。 (ネタばれあります。ご注意ください。) 同じく短編集『死の枝』からの1編。 5歳のときに両親を惨殺された少女が、 やがて大人になり、結婚し、旦那の実家に帰る。 ここで会うある人物が、もしかしたら、 両親を殺した犯人かもしれない、と予感しつつ、 短編は終わる。 ・「松本清張 張り込み」あらすじ 警視庁捜査第一課の下岡(宮口精二)と柚木(大木実)は、質屋殺しの共犯・石井を追って佐賀 へと発った。主犯の男の自供によると、石井は兇行に使った拳銃をまだ持っていて三年前、 上京の時に別れた女・さだ子(高峰秀子)に会いたがっていた。しかし、さだ� 松本清張特別企画『家紋』(BSテレ東、2016/2/11 17:29 OA)の番組情報ページ | テレビ東京・BSテレ東 7ch(公式) 松本 清張『死の枝』の感想・レビュー一覧です。電子書籍版の無料試し読みあり。ネタバレを含む感想・レビューは、ネタバレフィルターがあるので安心。 - うどんとビデオ - いのちの事件簿 〜福祉の最前線でケースワーカーは今〜 - 風のねがい - もうひとつの心臓 - 女たちの帝国 - 唄を忘れたカナリヤは… - 生前予約〜現代葬儀事情 - スズキさんの休息と遍歴 - 熱の島で〜ヒートアイランド東京 - 極楽遊園地 - 流通戦争 - 新宿鮫 〜毒猿〜 - 黄昏流星群〜恋をもう一度 - 風になれ鳥になれ - ラスト・イニング, クライマーズ・ハイ - 氷壁 - 繋がれた明日 - マチベン - ディロン〜運命の犬 - 人生はフルコース - 新・人間交差点 - クライマーズ・ハイ(再) - 魂萌え! 松本清張特別企画『家紋』(BSテレ東、2016/2/11 17:29 OA)の番組情報ページ | テレビ東京・BSテレ東 7ch(公式) テレビドラマや映画はもちろん、ミ... 世界的注目を集める映画監督・黒沢清。2020年9月ベネチア国際映画祭での銀獅子賞(監督賞)受賞によって、ますます今後の活躍が期待される日本人映画監督です。この記事では、黒沢清の魅力や特徴を探りながら、監督を手掛けたおす... ホンシェルジュはamazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。. - 恐怖の航海 - 潮風のサラ - 春むかし - 新十津川物語 昭和編 - 愛を忘れないで - 流れてやまず - 地球をダメにする50のかんたんな方法 - パパ嘘だと言って - 推定有罪 - とおせんぼ通り - 欅の家 - 大草原に還る日 - 私が愛したウルトラセブン - 消えた金塊ブリンクス・マット強奪事件 - パパとアリスの奮戦記 - ミス・ローズ・ホワイトの秘密 - 春の一族 - 系列(パート1) - オバサン、咲いた! - 系列(パート2) - 秋の一族 - 和菓子の味 - 妻よ, もうひとつの家族 - ゼロの焦点 - 放送記者物語 - 涙たたえて微笑せよ-明治の息子・島田清次郎 - 鏡の調書天使が街にやってきた - 家族旅行 - 天上の青 - 遠い国からの殺人者 - 八月の叫び - 刑事 蛇に横切られる - 新宿鮫 〜無間人形〜 - メナムは眠らず - されど、わが愛 - 天空に夢輝き 〜手塚治虫の夏休み〜 - やらまいか! Required fields are marked *, 次回のコメントで使用するためブラウザーに自分の名前、メールアドレス、サイトを保存する。. 『家紋』(かもん)は、松本清張の短編小説。『小説新潮』1967年4月号に『十二の紐』第3話として掲載され、1967年12月に短編集『死の枝』収録の1作として、新潮社(新潮文庫)より刊行された。 1990年・2002年にテレビドラマ化されている。. 【ホンシェルジュ】 純文学出身ながら、社会派推理小説で一躍人気作家となった松本清張。それ以外にも、歴史小説や古代史ミステリー、近現代のノンフィクションなど様々なジャンルで多数の著書を残しました。今回は松本清張のおすすめ本ランキングベスト11を紹介します。 - 夏の一族 - ストックホルムの密使 - 百年の男鯉のように百年生きろ - 一日三回食後に服用・よひんびん物語 - 大地の子 - 最後の弾丸 - 官僚たちの夏 - ランタナの花の咲く頃に - 水辺の男 - ぜいたくな家族 - 照柿 - 病院 - ちいさな大冒険 - 我等の放課後 - 秋の選択 - 憲法はまだか - 女にも七人の敵 - 新宿鮫 〜屍蘭〜 - おごるな上司! 民子は鬼頭の相手を務める一方、小滝とも関係を持ち、鬼頭の後ろ盾を得て、奔放な生活を送るようになる。 そのころ、寛次の焼死事件は、小滝が民子のアリバイを証言したこともあり、 警察 と 消防 によって失火と断定された。� 『けものみち』は、松本清張の長編小説。「けものみち」[1]に迷い込み、戦後日本の権力構造を垣間見た者たちの運命の変転を描く、著者の社会派サスペンスの代表的長編である。『週刊新潮』(1962年1月8日号 - 1963年12月30日号、連載時の挿絵は生沢朗[2])に連載され、1964年5月、新潮社から単行本として刊行された。後に電子書籍版も発売されている。, 成沢民子は、脊髄損傷のために動けなくなった夫・成沢寛次を養うため、割烹旅館・芳仙閣で住み込みの女中をしていた。しかし、寛次はそんな民子をいたわるどころか、日々、猜疑心を募らせ、民子が家に戻るたびに、執拗にいたぶるのだった。, ある日、芳仙閣にニュー・ローヤル・ホテルの支配人・小滝章二郎が訪れる。小滝は民子に、今の生活から抜け出し、もっと安楽な生活に導く手助けをするようなことをほのめかす。民子は小滝の誘いに乗ることを決意し、失火に見せかけて夫を焼き殺す。そして、民子は弁護士・秦野重武によって、政財界の黒幕・鬼頭洪太の邸宅に連れて行かれる。小滝の誘いとは、鬼頭の愛人になることだったのである。民子は鬼頭の相手を務める一方、小滝とも関係を持ち、鬼頭の後ろ盾を得て、奔放な生活を送るようになる。, そのころ、寛次の焼死事件は、小滝が民子のアリバイを証言したこともあり、警察と消防によって失火と断定された。しかし、事件を担当した刑事・久恒義夫は、事件に不審を抱いて独自に捜査を進め、民子が夫を焼き殺したという結論に達する。民子の美貌に魅せられた久恒は、自分が集めた証拠を民子にちらつかせ、民子にたびたび関係を迫る。, しかし、逆に久恒はささいな理由で警察官を免職される。自分を免職にした上司の背後に鬼頭の姿を見た久恒は、自分が調べ上げた鬼頭の闇の部分を手紙にしたため、新聞社に持ち込むが、鬼頭の力を恐れる新聞社は久恒のネタをどこも採用しなかった。改めて鬼頭の実力を知った久恒は、失踪した鬼頭家の女中頭・米子の殺害事件の証拠を集めて鬼頭を追い詰めようとする。, 『松本清張シリーズ・けものみち』のタイトルで、1982年1月9日から1月23日まで毎週土曜日20時 - 21時10分にNHK『土曜ドラマ』で放送された。全3回。主演は名取裕子。, 視聴率[10]は、第1回18.2%・第2回15.8%・第3回18.7%。平均視聴率は17.6%(関東地区・ビデオリサーチ社調べ)。DVD化されている。, 第15回テレビ大賞優秀番組賞受賞作品。当時NHKのディレクターであった和田勉が、仕事上のトラブルに陥っていた名取に、民子役として直接出演を依頼し、制作された作品[11]。小滝役には「ザ・商社」の山崎努、久恒役にはお笑いで人気を博していた伊東四朗が起用された。また、鬼頭邸の庭のシーンは(ドラマ制作当時の)清張邸で撮影されている[12]。, 遠い接近 - 中央流沙 - 愛の断層 - 事故 - この町の人 - 愛染かつら - 生ける人形 - 浪華悲歌 - 限りなき前進 - 男たちの旅路(第1部) - 花に棲む - 寺島町奇譚 - 紅い花 - 閃光の遺産 - 高層の死角 - 轢き逃げ - 暗い落日 - 男たちの旅路(第2部) - 堂々たる打算 - およね平吉時穴道行 - 終りなき負債 - もしも・あの時 - 棲息分布 - 最後の自画像 - 依頼人 - たずね人 - 男たちの旅路(第3部) - 虹の花 - 優しい時代 - 兄とその妹 - 出来ごころ - 人情紙風船 - 十字路 第一部 - 天城越え - 虚飾の花園 - 一年半待て - 火の記憶 - 十字路 第二部 - 阿修羅のごとく - 死にたがる子 - 血痕追跡 - 四角な船 - 失楽園'79 - 大阪親不孝通り - 大阪発-あした - 男たちの旅路(第4部) - 素直な戦士たち, 阿修羅のごとく パート2 - 離婚 - 天才画の女 - 空白の900分―国鉄総裁怪死事件― - 暁は寒かった―誰かが母を殺した日― - さらばきらめきの日々 - 魂の夏 - 蛇蝎のごとく - わが青春のブルース - 踊る - 君はまだ歌っているか - タクシー・サンバ - 価格破壊 - けものみち - 大阪ドン・キホーテ - 横浜物語 - 遠雷と怒涛と - 噂になった女たち - 私の父の反乱 - 希望 - 翔べ!南十字星号 - 追跡 - 白き抗争 - 欲望 - 日だまり - 波の塔 - 話すことはない - 華族の女 - わたしの名は女です - 青春スクランブル, 結婚する手続き - カイワレ族の戦い - 十九歳 - ときめき宣言 - 翔べひよっ子 - 夕陽をあびて - 兄弟 〜あにおとうと〜, 別の愛 - 家族の値段 - 恋愛模様 - 理想の男性 - 新十津川物語 明治編 - チロルの挽歌 - - 新十津川物語 大正編 - 新・王将 - オバサンなんて呼ばないで! 純文学出身ながら、社会派推理小説で一躍人気作家となった松本清張。それ以外にも、歴史小説や古代史ミステリー、近現代のノンフィクションなど様々なジャンルで多数の著書を残しました。今回は松本清張のおすすめ本ランキングベスト11を紹介します。, 表題作である「共犯者」は、仲間と共謀し、銀行強盗で巨額の富を得た内堀という男が主人公です。当時、盗んだ金を資金にして商売をはじめ、事業を成功させることが出来ましたが、強盗の事実が明るみに出ることを恐れるようになってしまいます。露顕の恐怖を払拭しきれない内堀は、かつての共犯者の監視をはじめ、どんどん疑心暗鬼に陥り、徐々に身を滅ぼしていくのです。, 本作は、前述した「共犯者」のほかに、「恐喝者」や「発作」、「愛と空白と共謀」、「典雅な姉弟」、「潜在光景」などの10編が収録されています。どれも人間の欲望や、ドロドロした人間関係などを描きだし、重厚な読後感をもたらしてくれるはずです。, 松本清張は、特に小説家人生の初期段階において、多数の短編集を発表していました。デビュー前の習作も、圧倒的に短編が多かったのです。後々、多くのヒット作を経て、長編作品を集中して発表するようになりましたが、晩年まで数こそ減りつつも、短編を発表し続けた小説家でした。, 本作『共犯者』は、そんな松本清張の真骨頂とも言える作品群です。何度も映画化やテレビドラマ化がされており、その世界観やストーリー展開、登場人物たちの生き様が、様々な形で描き出されてました。書き手のファンはもちろん、初めて作品を手に取る人にも向いている一冊でしょう。, 1959年に起きた、BOACスチュワーデス殺人事件をモデルに書かれた長編推理小説。フィクションのスタイルを用いて展開される推理小説で、数々のフィクション作品や、時代小説を手掛けてきた松本清張らしい仕上がりです。, 物語は二部制になっており、一部は犯罪編として、事件が発生するまでの過程や背景を綴っており、二部を推理編として、事件捜査にあたる藤沢や市村などの刑事たちによる捜査を描く、という構成になっています。, 本作は、終戦後のカトリック教会を舞台にした作品で、聖書の翻訳をする神父や、教会が運営する幼稚園の保母などが主な登場人物となっています。教会がこっそりと物資の密売を行っていたことが、信者の密告によって明らかになってしまうなどのエピソードは、粘り強い取材を行ったことで生まれたものでした。, 作品一つ一つのリアリティ、そして題材とした事柄の真実を物語に浮き上がらせるための著者の努力はここでも発揮されており、作品に対する熱意を垣間見ることができます。, テレビドラマ化をされたこともあり、世間の幅広い注目を集める、センセーショナルな一作だと言えるでしょう。, 戦後の日本国内で発生した、様々な怪事件について、松本清張がミステリアスかつリアリティのある文体で描き出した作品です。時代・歴史小説とも、ノンフィクションとも言われる作品で、迫りくる詳細な事件簿のような仕立てになっています。, 捜査が打ち切られてしまった「下山国鉄総裁謀殺論」、消息を絶った旅客機について綴った「もく星号遭難事件」、在日ソ連元代表部のジュリー・A・ラストヴォロフ二等書簡の失踪事件にまつわる「ラストヴォロフ事件」や、GHQのESSキャップ・クレーマー大佐が装甲車に乗った兵士を引き連れて日銀を取り巻いた「ダイヤモンド」など、12の事件について書き連ねられています。, 本作から生まれた「黒い霧」というキーワードは、時代を反映したことから、流行語として多くの人々に認知されることになりました。政界や財界の不祥事や汚職を例える言葉として頻繁に利用され、黒い霧事件と名付けられたものもいくつもあります。, 未解決の事件や、不可解な謎を残したまま、捜査が打ち切られてしまった出来事など、日本の謎や闇に迫るエピソードが、多数取り上げられており、激動の時代を生き抜いた松本清張から見た当時の歴史を知ることが出来る、貴重な一冊だと言えるでしょう。, こちらも、実際に発生した事件を取り上げ、松本清張の視点を用いて仕上げた作品集です。それぞれの事件の関係者への取材はもちろんのこと、膨大な史料を元に、細部まで綿密に描かれていると言えるでしょう。1964年から1971年まで連載され、非常に多くの読者を獲得したのです。, 「陸軍機密費問題」「石田検事の怪死」、「朴烈大逆事件」の三つの事件を取り上げ、これらの関係性について提示をしていたり、同じ小説家としての視点から、「芥川龍之介の死」について解説したりするなど、歴史や時代を反映しながら独自の読み物として成立させました。, 「二・二六事件」については、「相沢事件、軍閥の暗闘、相沢公判」や「北・西田と青年将校運動、安藤大尉と山口大尉、二月二十五日夜」などの五章に仕立て、より深く掘り下げています。, 歴史や時代について、実在の事件を用いて展開する際、松本清張は非常に様々なスタイルを試していました。, 題材としては実際の事件であったとしても、物語として描いたり、論文を作中に組み込んでみたり、評論風に書いてみたりと、多様なスタイルを研究していたのです。これは当時、ノンフィクション作品があまり積極的に読まれる風潮ではなかったためと言われています。, 本作もこのパターンのひとつです。タイトルの『昭和史発掘』の通り、激動の昭和時代の史実を発掘するように、多様な視点から展開される仕上がりとなっています。小説としてはもちろんのこと、当時の様々な出来事に興味を持つきっかけにもなるでしょう。, 『黒い画集』は、メディア化もされた松本清張の短編小説集です。全10編の作品群から成り立っており、心理描写やトリックなどが緻密に張り巡らされています。, 「遭難」は、タイトルの通り、遭難事故の手記というスタイルを用いた前半パートと、倒叙スタイルを用いた後半パートに別れたサスペンス仕立ての作品です。松本清張は、本作のプロットを立てたあと、プロの登山家に話を聞き、よりリアリティを高めました。, 「証言」は、かつての部下との愛人関係を、家族に秘密にしている男性のストーリーです。愛人を囲った家から帰る途中、反射的に挨拶をしてしまった相手に、この秘密をばらされてしまうのではないかと不安に思っていた中、とある殺人事件のアリバイ証人になるように求められてしまいます。, 「坂道の家」は、とある中年男性が、キャバレーで働く若い女性との恋愛に没頭し、身を滅ぼしていく物語です。これまでに何度もテレビドラマ化している作品で、質素な生活を送る主人公の姿が描かれています。, このほかにも、「天城越え」「寒流」「紐」「凶器」「濁った陽」「草」「失踪」が収録されており、どれも極上の仕上がりと言える作品ばかりです。, それぞれテーマや登場人物は異なってますが、不倫や愛人、裏切りなど、人間の欲望や凋落にスポットを当て、トリックやサスペンスをはじめとした、多様なドラマを味わうことができます。, 「決してあり得ない!」と言い切れるシチュエーションの作品はひとつもなく、どこか身近に感じられるエピソードから広がった物語、というの特徴を持つ本作。対岸の火事とは言い切れない内容の作品たちからは、臨時感のある読み応えを堪能できるでしょう。, 本作は、短編の時代小説を12編集めた作品集です。表題作である「西郷札」は、西南戦争を舞台に一攫千金を夢見た男を主人公とし、動乱の時代に夢を見て、やがて破滅していく姿を描いています。, 「梟示抄」は、江藤新平の実話に即して描かれた作品です。同じ組織にいる者同士の勝負や軋轢を綴りました。「啾々吟」は、幕末時代を舞台にした作品で、同じ日に生まれながら、身分の異なる三人の子どもの運命を追っています。, それぞれの短編作品は、時代・歴史小説とカテゴライズ出来るものの、実際の舞台は異なっています。, 幕閣内での戦いを描いた作品もあれば、幕末の運命を書きつづった作品もあり、登場人物も多様です。幕臣もいれば、下士の子どももおり、各々が異なった人生を、必死に生きる様子が描かれています。, 松本清張は1909年生まれの小説家です。1951年『西郷札』でデビューし、2年後『或る「小倉日記」伝』にて芥川賞を受賞します。1957年には『点と線』の連載を開始し、社会性のある題材を扱う社会派推理小説を開拓しました。, 病院の院長である戸谷信一は、愛人たちから金を巻き上げて、病院の赤字の穴埋めに使っていました。ある日、愛人の一人が夫を毒殺しようと考えます。戸谷はその計画に協力するのですが、そこから戸谷と周囲の人間の運命は狂い始めるのです。, 例えば、主人公の戸谷はかつての愛人で看護婦長の助けを借りて殺人を行います。非常に信頼を置いていましたが、殺人を重ねるにしたがって、看護婦長の不審な動きが目に付くようになります。戸谷は自分が陥れられるのではないかと恐れ、今度の殺人ターゲットを看護婦長にするのです。, 禎子と見合い結婚をしたばかりの夫・憲一が仕事の引継ぎの為、以前の勤務地である金沢に出掛けたまま行方不明になってしまいました。急遽、金沢に向かった禎子は憲一の後任である本多の協力を借りながら夫の行方を追いますが、その過程で憲一の隠された過去が露になります。そして、ついに死者まで出てしまい……。, 事件そのものも面白いのですが、当時の社会と女性の関係性を描いたことが最も評価されています。舞台は昭和30年代前半で終戦の影響がまだ色濃い頃です。, 神経障害を持つ田上耕作は、友人に勧められた森鴎外の作品に感動し、どんどんと読み進めていきました。やがて、耕作は森鴎外が小倉で過ごした3年間の日記『小倉日記』を補完しようと考えます。麻痺のある身体に鞭打って、ゆかりの人物を取材しに行きます。しかし、耕作の前に立ちふさがったのは、戦争でした。, 耕作は神経障害で片足が麻痺し、口が開いたままで涎は出てきますし、うまく喋れません。こうした身体で資料を集めに山を越えるといった苦労もありますが、戦中のことですから露骨な差別にはひどいものがあります。罵詈雑言を吐かれて耕作は挫けそうにもなりますが、母や文士たち、鴎外の弟からの激励により、諦めずに前へ進み続けるのです。, 九州の博多の海岸で、男女の情死体が発見されました。ありふれた事件に見えましたが、ベテラン刑事の鳥飼は男が持っていた伝票から不審を感じ、一人で捜査を始めます。一方、汚職事件を追っていた本庁の刑事・三原は、心中事件にたどり着いた末に鳥飼と出会います。二人は容疑者を見つけますが、彼には鉄壁のアリバイがありました。, 作中ではいくつかのアリバイトリックが組み合わされています。その中でも特に圧巻なのが、空白の4分間でのトリック。東京駅の13番ホームから15番ホームを見渡せる時間が一日の中でたったの4分しかないのです。この時間を使って、犯人は自分を女中に目撃させます。このことが鉄壁のアリバイとなり、刑事たちを苦しめます。, 東京の蒲田駅の操車場で、男の扼殺死体が発見されました。被害者には、東北訛りと「カメダ」という言葉しか手掛かりがありません。それだけでは身元が分からず、捜査本部は解散しましたが、老練な刑事の今西はあきらめずに捜査を続けます。すると、貴重な事実が少しずつ判明し始めますが、それを嘲笑うかのように、第二、第三の殺人事件が発生します。, 作中に表現される命と差別が松本清張の本作の肝です。犯行理由を重点化して描くことで、犯人の境遇をくっきりわかるようになり、そこに潜む差別や命の軽視といった感情が露わになります。.