薬丸岳さん『友罪』あらすじと感想です。テーマである少年犯罪についても書いています。もしも私が主人公の立場だったら、この小説のようにはできないかもしれません。心に響く深いお話でした。 All rights reserved. 薬丸岳さんの小説を原作とする日本映画で、2018年5月25日に公開されました。監督は瀬々敬久さんで主演は瑛太さんと生田斗真さんとなっています。他、夏帆さん、山本美月さん、佐藤浩一さん、奥野瑛太さんなどが出演しています。, ジャーナリストの夢に破れて町工場で働き始める益田と、同じタイミングで工場勤務につく鈴木。鈴木は周囲との交流を避け、過去を語りたがらない影のある人物だが、同い年の2人は次第に打ち解け、心を通わせていく。だが、あるきっかけから、益田は鈴木が17年前の連続児童殺傷事件の犯人ではないかと疑い始め…。, 映画『友罪』観ました。この作品は薬丸岳さんの同名小説を原作とする日本映画で、2018年に公開された作品です。主演は瑛太さんと生田斗真さんとなっていて、他佐藤浩一さんや山本美月さん、夏帆さんなど実力のある俳優さんたちが多数出演しています。原作は読んでいなかったのですが、この作品はある事件をモチーフにされています。それは1997年に起こった神戸連続児童殺傷事件です。いわゆる”酒鬼薔薇事件”と呼ばれる日本中に衝撃を与えた事件です。その殺害方法だけでなく、マスコミへ対して声明文を送ったりと、いろいろと話題になっていた事件なのですが、調べれば調べるほどすごい事件だったんだな・・・という感じの事件です。当時僕は子供だったのでそこまでの話題になっていたことは知らなかったのですが、この事件に関わる本を読んだことがきっかけで調べ始め、この『友罪』も見つけました。, この映画では、ある町工場で二人の青年が働き始めるところから始まります。それが瑛太さんと生田斗真さんなのですが、二人ともがどこか訳ありな感じでそこへたどり着いています。それが次第に明らかになっていくという話となっています。二人は次第に距離を縮めていくこととなるのですが、相手の持っているあまりにも凄惨な過去を知ることとなっていきます。酒鬼薔薇事件における”少年A”的な役となっているのが瑛太さんの演じている鈴木という人物です。彼は閉鎖的で何を考えているか分からない部分がありながらも、少しずつ心を開いていきます。しかし、彼は奥に秘めた何かを持っていて、それが明らかになっていきます。, この映画では罪とどう向き合い、どう生きていくかということが一つのテーマになっています。結構驚いたのですが、酒鬼薔薇事件の犯人である14歳の少年は今もまだ生きていて、結婚して子供もいるそうです。人として正しい生き方をしているはずなのですが、事件のことを知った後、彼に対して多くの人は何を思うでしょうか。例えば、そういう人が同じ仕事場にいたり、我が子が結婚相手として連れてきたりした時、普通に接することができるでしょうか。僕がそういう立場だった場合、普通に接することができる自信は正直ありません。表面上やることはできるかもしれませんが、きっとどこか恐怖感のようなものを覚えてしまう気がします。この”過去の罪”と”それに対する周囲の人たち”こそがまさにこの映画で描こうとしていたことで、その難しさも描かれています。, この映画では瑛太さんの演じる鈴木と恋人関係になる女性が登場します。それが夏帆さんが演じている人物なのですが、彼女とのシーンも結構激しいシーンがありました。彼女の身の上話のような部分はちょっとステレオタイプ的で、若干誇張されている感じもしましたが、ああいう人物が鈴木と心を通わすというのは納得感あるようにもなっているような気がします。それにしてもこの鈴木という人物、実写として演じて、それを撮るのって結構難しいだろうな・・・という感じもしました。小説であれば、登場人物の細かい仕草や、表情なんかは描くことができないので、読者へ委ねることもできます。しかし、映画であればそれを映像として撮らなければなりません。あまりにも変な人となってしまうと『こんな人いないだろ・・・』と冷めてしまいますし、かと言ってちょっと理解できない人物として鈴木は描かれています。こういう映画や、こういう役って大変だろうな・・・と。, 個人的には酒鬼薔薇事件に関しては結構興味を持ってしまっています。それはきっと僕が事件と遠く離れたところにいる他人だからかもしれません。こういう事件を報道することに対する描写もあったりしましたが、知りたい人がいる一方で、知らせたくない人もいるはずなのです。酒鬼薔薇事件の犯人は元少年Aとして『絶歌』という書籍を出版しています。自分で書いた本ということで、批判的な意見もあったりもしますが、僕はこの本を読んでみたいなと思っています。, 次回のコメントで使用するためブラウザーに自分の名前、メールアドレス、サイトを保存する。. ラストに感動しました。5つ★薬丸岳さんの本は今まで2冊読んでいます。有名な人気作である「天使のナイフ」よりも、私は本作「友罪」が好きです。この小説は、トリックとか推理とか、あっと驚くどんでん返しとか、そういうのがあるお話ではありません。 Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます). 『友罪』(薬丸岳) のみんなのレビュー・感想ページです(226レビュー)。作品紹介・あらすじ:「凶悪犯罪を起こした過去を知ってもなお、友達でいられますか?」─ミステリ界の若手旗手である薬丸岳が、満を持して「少年犯罪のその後」に挑む、魂のエンタテイメント長編。 © Copyright 2020 MASA's READING MEMO BLOG. 身近な人が過去に凶悪犯罪を犯していたら? 真実を知ったとき それでも友達でいられるのか。, 【あらすじ】 寮付きの町工場で働き始めた益田純一は、同じ日に入社した鈴木秀人という男に出会う。ある日、益田は昔の恋人から、14年前に起きた少年犯罪について話を聞かせてほしいと頼まれる。事件について調べるうちに、その犯人が同僚の鈴木ではないか?と疑念を抱きはじめ・・・。, 『友罪』は 当時少年だった犯人の少年院を出てからの孤独な人生についても描かれています。, これからも罪を償いながら孤独な人生を歩んでいかなければならないこと。でも過去にそれだけのことをしてしまったのだから・・・という気持ち。, 凶悪犯罪を犯しても少年法に護られて、いつかこの社会に出てくるかもしれません。・・・そうなると気になるのは罪の意識があり本当に更生しているのかどうかです。, 薬丸さんの本は 重いテーマが多いですが心に響くものや、今の社会に通じるものがあります。人の心を描くのが上手で読みやすい。, 人の命を奪った罪を償うということは、簡単に答えの出しようのない難しいものです。人の命の重さが伝わってきました。, 11月のボーナスタイトルは、池井戸潤さん『下町ロケット』です。 ※貰えるのは月末まで, もしも私のまわりにそんな人がいたら、私は益田くんのようには出来ないのではないかと思います。, ゆるりと本をよんでいます。ミステリー、ホラー、SF、ファンタジー、何でもよみます。ほとんど小説、ときどき絵本。→ 詳しいプロフィールは, 本とアニメが好き。ゆるりと本を読み、気ままに感想をアップしています。おすすめ小説や絵本、たまに辛口レビューもあり。アニメブログもやってます。. 薬丸岳の原作を瑛太、生田斗真の共演で瀬々敬久監督が映画化した「友罪」のネタバレ含む感想結末。原作と映画の違い。仲良くしていた友達が誰もが知る凶悪事件の犯人だったらどう接すればいいのか。本当に罪を償い悩みながら必死に前を向こうと努力してたら。 映画「友罪 」ネタバレあらすじとラストまでの結末・動画やみんなの感想を掲載。起承転結でわかりやすく徹底解説しています。友罪 のストーリーの結末・感想や感想を含んでいるので、観ていない方はご注意ください。この映画のカテゴリーは サスペンス映画 です。 薬丸岳さんのおすすめミステリー小説を厳選しました。司法制度を扱った小説といえば薬丸岳さんです。小説の魅力についても書いています。... 薬丸岳さん『悪党』のあらすじと感想です。ネタバレもあります。犯罪加害者の追跡調査をしていく佐伯。やるせない結末でした。WOWOWでドラマ化されます。罪と贖罪について考えました。... 薬丸岳さんの小説『Aではない君と』あらすじと感想です。少しだけネタバレあります。少年法と父の苦悩、付添人制度についても書いています。命の尊さを感じる結末でした。... https://hon-tabi.com/wp-content/uploads/2019/12/f81fd2e4c52864042852c112ce927ae2.png. (C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会 【公開】 2018年(日本映画) 【原作】 薬丸岳 【脚本・監督】 瀬々敬久 【キャスト】 生田斗真、瑛太、佐藤浩市、夏帆、山本美月、富田靖子、奥野瑛太、飯田芳、小市慢太郎、矢島健一、青木崇高、忍成修吾、西田尚、村上淳、片岡礼子、石田法嗣、北浦愛、坂井真紀、古舘寛治、宇野祥平、大西信満、渡辺真起子、光石研 【作品概要】 ミステリー作家の薬丸岳の同名小説を実 … 友罪(2018) 監督:瀬々敬久 出演:生田斗真、瑛太、 佐藤浩市、夏帆、山本美月etc 評価:マイナス5億点 先日、映画友達と一緒に『ファントム・スレッド』『友罪』の2本立てをしてきました。前者は、我らがPTAの作品だけあって、今年のベストテン入り確定の大傑作であった。 ある事件をモチーフにした映画です。 『友罪』 薬丸岳さんの小説を原作とする日本映画で、2018年5月25日に公開されました。監督は瀬々敬久さんで主演は瑛太さんと生田斗真さんとなっています。他、夏帆さん、山本美月さん、佐藤浩一さ