対局中、ひたすら正座して将棋の指してを書き続ける「記録係」。タイトル戦などでは、朝から晩までトイレも行けず正座していることもある、ハードなお仕事。そんな「記録係」を見てふと思う、「記録係」の給料はいくらなのか?, そんな疑問の答えが、マンガ「将棋の渡辺くん」の中でさらっと明かされている。「将棋の渡辺くん」によれば、「記録係」の給料は1日6000円から10000万円。, ほぼ一日がかりの仕事と考えれば、高い? 安い? すぐに勝負がついた時は、「記録係」は内心ラッキーと思っているかもしれませんね。. 伝説の名勝負』NHK出版、p.160での, 羽生善治九段VS郷田真隆九段 優勝を手にするのは? NHK杯将棋トーナメント決勝戦, 第60回NHK杯テレビ将棋トーナメント決勝戦放送時間のお知らせ(日本将棋連盟・2011年3月24日), 「第60回NHK杯将棋トーナメント」「将棋講座」再放送のお知らせ(日本将棋連盟・2011年4月1日), https://mainichi.jp/articles/20180715/k00/00e/040/233000c, https://mainichi.jp/articles/20170818/k00/00m/040/076000c, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=NHK杯テレビ将棋トーナメント&oldid=80377494, 村山、これが人生最後の出場。最終盤で錯覚して逆転負け。村山は局後に「優勝したはずだったんですが・・・」とこぼした。, 勝勢にあった加藤が指した悪手▲8八金を見て、大山が電光石火のアクションで△同角成。, 第57回(2007年度)の女流予選は、大会史上初めて女流4タイトルを分け合う4名によるトーナメント戦となった。この模様は女流棋士出場者決定戦として2007年, 第59回の2009年7月26日と8月2日放送分は、収録される対局に矢内理絵子が出場する分が含まれていたため、代役として千葉涼子が司会を務めた。, 2014年5月18日・25日放送分は清水が女流王位決定戦に、2015年3月1日・8日放送分は女流名人戦五番勝負に出場するため、代役として矢内が司会を務めた。, テレビスタジオのライトの熱により、駒に塗られたワックスが時間とともに溶けてしまい、盤に貼り付いてしまうという、テレビ棋戦ならではのトラブルも発生した。それに遭遇した, 第42回(1992年度)の年度途中で大山康晴十五世名人が死去し、2回戦で大山との対戦予定が組まれていた, 第68回(2018年度)では、40歳代にして本戦初出場を決めた2人がいずれも本戦1回戦勝利以上の活躍を見せた。, 第36回(1986年度)準決勝・第2局(1987年3月15日放送)、淡路仁茂八段と森雞二九段の対戦。解説者は晩年の, 第60回(2010年度)では、前回ベスト4によってシードされた棋士がまたも準決勝に進出し、2年連続で全く同じ顔ぶれとなった(羽生善治・渡辺明・丸山忠久・糸谷哲郎)。さらに、決勝戦も2年連続で同一カードとなった(羽生対糸谷)。この様な例は史上初。, 第61回(2011年度)の1回戦第10局、佐藤康光九段対永瀬拓矢四段の対局は、NHK杯戦史上初, 第66回(2016年度)以降は再び、羽生世代の棋士が少なくとも1人勝ち残る状態が続いている。第66回(2016年度)では佐藤康光九段が優勝し、第67回(2017年度)では郷田真隆九段が準決勝まで勝ち残った(同年度優勝の山崎隆之に敗れた)。, 第67回(2017年度)の1回戦第16局(2017年7月16日放送)、山崎隆之八段対, 2回戦第5局(2017年9月3日放送)は、対戦相手が十八世名人資格者の森内俊之九段ということで、前述の1回戦放送直後より視聴者からNHKへ放送予定の問い合わせが数多く寄せられ、2008年3月放送の決勝戦(佐藤康光二冠対鈴木大介八段). 例外を除いてプロ棋士は記録係を行いません。藤井四段は奨励会に在籍していた期間が短かったので記録係をする機会がなかったのではないでしょうか。 羽生三冠も短期間でプロになったので記録係を1回しかしたことがないという話を聞いたことがあります。 この記録係、一局の将棋の始まりから終わりまでを観ることのできる、我々にとっては羨やましい仕事に思えるのだけど……。記録係というのは実際にはどのような仕事をするのだろうか。, 対局というのは将棋連盟の手合課というところでつけられる。組合せの抽選や、対局の日程などの調整はすべてここで行なわれる。, 決められた対局日程(半月分)が滝、松浦の両幹事へ。奨励会例会日の朝、対局前に記録の募集が行なわれる。「○月○日に×局あります」と幹事から対局日程の発表があるとその日を希望する奨励会員が手を上げる。順番に指定されていくのでどの対局の記録を執りたいという希望までは叶えられない。中原-米長、名将戦(好カードで時間が短い)ばっかりを執るわけにはいかない。, 今期、42期の棋聖戦第1局の記録係を務めたのは北島二段。彼にそのときの模様を語ってもらった。, 将棋連盟に2時半集合といわれている。暇だったのでお昼頃連盟へ。持って行く物を用意する。, 「記録用紙とストップウォッチ2ケ、ペンも持った。盤、駒は向こうにあるからいいと。これで全部かな?あっ、そうだ。第1局だから振り駒用の絹布を持っていかなきゃ。パンツも持ったしこれで大丈夫だ」, 東京駅では中原棋聖をはじめ立合いの山本八段、報道関係者が揃い、特急で一路木更津へ1時間半の旅。もちろんグリーン車だ。, さっそくフロへ、さっぱりしたところで食事となる。普段の爪に火をともすような生活に比べると極楽に来たようだ(のではないかと想像したりして。ゴメン), 中原、森安両対局者は早目に引き上げる。北島君も適当なところで引き上げ割り当てられた部屋でアガサクリスティーの「そして誰もいなくなった」を読んで寝たそうだ。, いよいよ記録の当日だ。いつもは目覚まし時計に起こされるのだが今日はモーニングコールと洒落ている。7時半に起きる。, タイトル戦は9時開始だ。15分前に対局室に入る。設営はすでにできている。時刻を合わせ、ストップウォッチ、盤の位置などを点検する。, 普段、連盟での対局は10時開始だが、座布団、灰皿、ゴミ箱などの設営は記録係の仕事である。30分前には連盟に着いていなければならない計算である。, 立合の山本、長谷部両八段、そして報道関係者が対局室へ入ってくる。対局者は森安八段、中原棋聖の順で入室してきた。, 立合の山本八段の合図で絹布を敷き、「失礼します」と言って床の間を背にした中原棋聖の歩を5枚取る。, 「タイトル戦の記録は初めてだったので緊張しましたね。中原先生の振り歩先でお願いします、という声がよく出なかったです」, 歩を五枚、絹布へ。カメラのフラッシュが焚かれ、カシャカシャというシャッターをきる音。この瞬間は北島君が主役だ。, 「それでは時間になりましたので森安先生の先手でお願いします」と北島君の声で対局が始まった。(ここまで主役が続く), 森安八段が▲7六歩と指す。ここで撮影の為に時間を止める。森安八段が7六歩と指すポーズを何回か繰り返す。, 撮影が終ると報道陣が引き上げる。しばらくして立合の山本、長谷部両八段も退室し、両対局者と北島君の三人になった。, 将棋会館での対局では局数やメンバーによっては序盤のうちはにぎやかになることがある。今日は森安八段が時折、煙草を吸うくらいで静かだ。まだ緊迫したムードではない。, 昼食は天ぷらにザルソバ。連盟での記録のときは昼食代は自前だが、ここではもちろんタダである。, 13時に再開。再開後森安八段は10分考えて▲4四銀と出る。昼休前の34分と合わせ44分の消費時間と指し手を記録用紙に書き込む。, 「昼休の後1時半から2時半、このあたりが一番つらいんですよ。お腹は一杯だし局面は進まないのですごくいい気持ちになって眠くなるんですよね」(某奨励会員談)という魔の時間帯だ。, 勿論、北島君はそんなたるんだ奨励会員ではない。ちゃんと、中原棋聖がミネラルウォターを、それに対抗してか?森安八段が冷たい水とタバコをホテルの仲居さんに注文したのを覚えている。, △8四飛から▲5六飛△7三桂と進む。この△7三桂は14時6分。指した時刻もときどき記録用紙に記入する。, 「ここではどちらがいいのかわかりませんでした。ただ△7三桂はなるほどと思いました」という北島君の感想だ。, 両対局者のお茶がかえられチーズケーキが出された。北島君にもお茶が出された。しかしいつまで待ってもチーズケーキは出てこなかったそうだ。, 「別にそんなに食べたいとは思いませんでしたけどね」とスネたように北島君。「しかし第3局目の塚田君の記録のときは出たそうですよ!」何故私がおこられるのだろう?, 「それにお茶もトイレが近くなるからあまり飲めないんです」絶対にトイレに行ってはいけないということはないが、記録はそう頻繁に席をはずすわけにはいかない。結構神経を使うつらいところだ。, おやつを過ぎると局面はそろそろ中盤の大事なところへさしかかってくる。だんだんと室内に緊迫感がただよってくる頃だ。北島君も自分が対局しているつもりで手を読む。終ってから感想を聞き、自分との違いを見つける。このあたりが勉強になるところだ。, 4時頃に福本さんが夕食の注文を聞きにくる。両対局者の注文を聞いたあと「君はカレーでいいね」。”カレーは昨日の昼に食べたから他の物がいいな、と思った”けど、そこは長年鍛えたポーカーフェイスで即座に「はい」と答える。, 「このホテルはいいホテルだと思いました」と北島君。カレーがメニューになく、ハンバーグステーキになったのである。, 夕休は18時~19時となっている。今度も中原棋聖の△8八竜に森安八段の手番で指し掛けとなった。, 夕休後10分で森安八段は▲7二馬。森安八段の消費時間は通計で267分となった。残り33分である。対して中原棋聖は191分、残り1時間49分だ。局面は中盤の難かしいところ、ピーンと張り詰めた空気が漂う。, 棋譜に間違いがないか、消費時間の計算に誤りはないかを確かめる。また対局者に残り時間を聞かれたときにもすぐに答えられるようにしておかなければならない。そして手も読みたいとも思う。消費時間の関係から指し手も速くなってくるのでかなり忙しい。, ▲7二馬から△5七歩成▲同歩△5四歩と進む。ここで森安八段の残り時間が30分となる。「森安先生、残り30分になりました」と告げる。中原棋聖は少考を繰り返す。△4三銀と馬取りに当てた手が9分。どちらも持時間は1時間を割った。, 森安八段が次の手に1分使ったところで残り10分となった。残りが10分になったときは「森安先生、残り10分になりました。何分から秒を読みましょうか?」と尋ねることになっている。対局者によってまちまちだが、だいたい「5分から」と答える人が多いようだ。, 森安八段も5分からという。丁度残り5分になったとき「残り5分になりました。秒を読みます」といって「30秒…40秒…50秒…55秒…」」で▲1三歩。しかしここが敗着となった。, 次の一手には残り1分まで使う。「30秒…40秒…50秒、1、2、3、4、5………」と1分将棋の秒読みに▲1五歩と打ったが△同香と取られ、あといくばくもなく投了となった。すぐに時刻を見る。21時43分である。, 報道陣が入室してくる。感想戦が始まったが見る余裕もない。棋譜を何通も作成しなければならないからだ。「連盟なら複写機があって簡単なんだけど」と思っている暇はない。, 観戦記用、対局者用と結局10通程作成したという。それでも棋譜を書きながら感想戦は耳に入ってくる。またそれを理解できるというのだからすごいものだ。感想戦が終わり、みんな対局室から引き揚げていく。, 「これでようやく務めを果たしたなと思ったら、急に疲れてきました。風呂に入ってホッとしましたね」という。, 風呂から上がり打ち上げの席へ。ちょっとばかりビールを飲んで部屋へ引き揚げたらバタンキューと寝てしまったそうだ。, 次の日は朝8時に目覚める。食事をしてから昨日の分までコーヒーを飲む。と新聞社の人が「誰か俺の布団で寝てやがんの」と赤い目をこすっている。A出版をアルバイトのMさんらしい。という珍騒動もあったそうだ。, 10時に一人でホテルを出る。棋譜を持って連盟へ。普通ならば帰りも一緒の行動になるのだが北島君はちょっと用事があった。, 12時頃連盟に着く。時計や絹布を返し、棋譜を手合に渡す。そして4階へ。盤、駒、座布団、灰皿を設営し対局者を待つ。, 「それでは時間になりましたので内田さんの先手でお願いします」とストップウォッチをカチッと押す。ごくろう様。, 棋譜はタブレット入力になったけれども、記録係の仕事のそれ以外の部分は当時も今も変わらないと思う。, ただ、環境的に当時と最も異なるのが、ニコ生とAbemaTVでタイトル戦の中継が対局開始から感想戦までの間行われていること。, モチベーションが上る反面、ずっと見られているわけなので、もしかすると以前よりも疲れるかもしれない。, 進む。ここで森安八段の残り時間が30分となる。「森安先生、残り30分になりました」と告げる。中原棋聖は少考を繰り返す。△4三, 森安八段が次の手に1分使ったところで残り10分となった。残りが10分になったときは「森安先生、残り10分になりました。何分から秒を読みましょうか?」と尋ねることになっている。対局者によってまちまちだが、だ, 次の一手には残り1分まで使う。「30秒…40秒…50秒、1、2、3、4、5………」と1分将棋の秒読みに▲1五歩と打ったが△同香, 「棋士野球部・キングスには、どんな棋士が参加していますか?また、実力はどのくらいですか?」, 「三番勝負の初戦を落として後のない先崎は、いささかハデな格好で対局場に現れた。『ジャンボ尾崎が着てるような感じの柄のシャツですよ』と聞いて、おおっ、と思う」.